BLを読み解きたい

なんでこんなに好きなのか考えたいだけ

壊れた心を愛せたら 感想

 

 

しんどい話だったんやけど続きが気になって夢中で読んだ。

 

日本統治時代の朝鮮半島の話。

 

韓国BLって日本のBLとやっぱりなんか違う。

 

長く続くものが多いから話が複雑になる。別に日本BLが単純ってわけじゃないんやけど、1冊で話を終わらせなければならないというリミットはあると思う。

 

あと、よく言う記号でキャラが分別できない。

ワンコ攻め!とかビッチ受け!とか、その区分がつけにくい。キャラクターの性格も多面性が往々にしてあるんやよな。それが面白さでもあるし、若干話を分かりにくくしてる面もあると思う。

 

今作に至っては1番分かりやすいキャラはセファン、あと父親もか。執着攻めの記号に当てはまる。

 

あの兄弟は分かりにくい。特に兄が分かりにくい。

 

父親に逆らえず、弟を守れなかった。

セファンの自分に向けた謀をしりながら受け入れてた。

そして弟へ兄としてではない性欲をもつところがなんとも解せない。

 

そやけどいつも韓国BLで思う事は、そうなんやろうな、と妙に納得するねんな。

 

他人からみると一貫性がなく、なぜそんな行動に至るのか?と思わんでもないんやけど、憎い憎いと恨んでいても憎いと思うその執着は100%嫌いじゃなく羨望も入り混じってることがあるように、好き好きと思ってても、たった一言で殺したいほどの憎しみに変わるように表裏どころかものすごい多面で人格が形成されているリアルさが韓国BLのいいところやと思う。

 

 

この話はごたごたと男どもが惚れたり憎んだり何やかんやしとるんやけど、女の強さの話なんやなかろうか。

男どもが勝手にややこしい世界を作り、力で女の人生を翻弄するんやけども、女は諦めたように見せかけあらがって、賢く、弱く醜いようで聡い。

といっても、ユンの母親はもっとやりようがあったように思うけども。あんなどうしようもない夫がおるんやったら結末は想像つくやろうにな。

 

一縷の同情も必要ないあの父親やねんけども、あないに日本人に舐められたくない、日本人になりたいともがいてそれがあの結末やと虚しいわな。

 

壊れた心、この話に心が壊れてないものなど1人も出てこないのやけれども、少し壊れたら修復せなあかんわな。自分が壊れたからといって他人の心を壊そうとしたなら、父親やセファンや母親が辿った断崖の道を歩かなあかんことになるんやわ。