"ジェイは『B』をベイビーと呼んだ。"
普段BLはもっぱら漫画でエンジョイしてまして小説はどうしてもなかなか食指が動かない。
想像するより絵の方が分かりやすいからかな。
なのであまり読むことがないんだけどもFFさんに教えてもろうた今作はすらすら読んだよ。
すらすら読んだ言うても、ものごっつい大変なお話で、木原先生と今作くらいしかBL小説を読んでないので、小説ってのはものごっつい大変な話が多いのか?って恐れてしまうくらいに冒頭から飛ばしていってる話です。
マフィアによる、性道具のために売られる子供を集めた施設からのストーリーです。ね、飛ばしとる。
子供、性対象、みんなで寝泊まり。っていう状況からどうしても、あの某事務所の少年のちんちんぺろぺろ犯罪ジジイを思い出してしまった。
あの事務所はどうしようもないので被害を受けたと申告した人には言い値でお金を支払うしかないんじゃない?
このままなぁなぁで終わっても、ファンでもなんでもない私からすると、夜毎に泣いた少年達の魂の屍の上で笑顔で踊ってるようで平坦な気分では流せんのやけど。
脱線するんやけど、事務所所属のキャスターがニュースで涙目でコメントしてるの呆気にとられたってか要約すると被害を受けてない人もそーゆー目で見られるんでやめてね。ってこと言うてて、えー!被害に遭った子も仲間やろ?自分達は違うんでやめてもろて。って冷酷すぎやわ。
この小説の子らはほんまえらい目におうてるんやけど性犯罪に大も小もないもんな。
主人公はなんやかんやあってセックスに笑顔で対応する子に育ってマフィアの事務所みたいなとこで客を取らされてんやけど、むちゃくちゃ金持ち(真っ当)に拾われて健やかに過ごします。とはならへんのやな。これが。真っ当金持ちが愛を注ぐんやけど生い立ちのせいで中々大変ですねん。
メイドもイケズがおって、マフィアにまた戻されてとか全然落ち着く暇ない話やねんな。
サド公爵の名を冠したサモンドってキャラが出てくるんやけど、これは彼の性癖がまるでマルキドサドのようやって事なんやろうな。イギリス人やていうてたしたな。実際のサド公爵はフランス人だから別人なんやろう。
ケイを救出するために金持ちがサド公爵(サモンド)に協力を依頼するねんけど、実際のサド公爵を思うと、別人だと分かっていても、どう考えても絶対!いっっっつちばん!頼んだらあかん人間に頼んでる!!!!!ってなった。1週間も個室で2人きり…。そんなもんに頼むくらいならマフィアでおもちゃにされてた方がマシやがな!こんな何十億人もおる人類のなかで何でサド公爵に頼むんや!多種多様の動物に犯され切り刻まれるで!と不安MAXでしたが、サモンドはサド公爵よりだいぶソフトな人間でした。よかった。
澁澤龍彦からさんざんサド公爵の性癖を学んだ者としてはあの1週間がほんま不安やった。J頑張ってくれよ…ってなった。乳首ピアスで済んでほんまよかった…
まずサド公爵なら絶対そんな依頼にうんと言わなさそう。どうやろ?好奇心が旺盛すぎる公爵ならワクワクして動物の用意をするのかしら。変な薬とか。
この御本読んでるとセックスって一体なんやねんな…
要は入れたり出したりするだけのことに何を人々はそんなに狂うのか?子供を犠牲にするほどのことか?
セックスできるできない。セックスを伴う愛だのなんだの。セックスセックスってもう一旦セックスもういいって落ち着こう。10〜30分ほど入れたり出したりするだけのことに囚われすぎなんじゃないの?(3分未満の人もおるよね。失礼しました)
って普段BLでセックスばっかり見てるくせに思ってしまうわ。
その犠牲を思うとね。
あの無邪気なBの末路はどうなったんだろう。幼いながら薬漬けにされたあの子は死んでボロ雑巾のように捨てられてしまったんやろうか。
後半出てきたJは前半のJとは別人だと私は思うけどもその他あの施設にいた子はどうなったんだろう。
この世は清廉潔白な世界じゃないことなんかみんな知ってるけども、貧困層の子供が犠牲になるのは仕方ないよね。っては流すわけにはいかんわな。絶対。