"たったあれだけのことがオレには出来ない?"
BLを読み漁りマイノリティの恋愛について理解ありますと分かったような気になっていた私の横っ面を思いっきり張り倒してきました。
泣いた泣いたってよく言うてるけど本当に泣く事なんてあまりないやけど知らん間に涙がでちゃったよ。
明るくギャグテイストなハイテンションで物語はスタートする。
カップルコースで出張ホストを呼ぶ。
カップルコースとは男女のカップルに出張ホストが参加する。マンネリ解消の為のサービスかな。
実際は彼女はおらず、彼氏だけ。
それならゲイ専用の出張ホストを呼んだらええやんな。そんな御本たくさん読んできたよ。
処女ゲイが出張ホスト呼んで、サービスしてもろて、なんやかんやで百戦錬磨の出張ホストも恋に落ちて…エターナルラブ♡たくさん読んだよ。
ちゃうねん。
違うの。違う。
まず出張ホストはノンケ。
ほんでな、ナルちゃん(客)はね、男が好き。
男が好きなんやけど、ノンケが好き。
男の子達が女の子に向けるような目で自分を見てほしい。だから出会い系も興味がない。ゲイバーにもいけない。
女の子になりたいわけじゃない。
マイノリティであるゲイ社会にも自分の居場所はない。一生恋愛できない。誰も自分を好きにならない。
手を繋ぐ
みんな気軽にしてるこんな事すら叶わない。
ここの心からの吐露がものすごい迫力やねんな。
何を自分は分かったようになっとったんやろう。
そこからの全てのシーン、喉の奥が熱くなる。スピード感もすごいし、絵も迫力があるし、心情と偏見がある現実の組み合わせ方の構図が天才だし、何より
ものすごく美しい。
駅でのシーン、出張ホストのスマートさが哀しくてでも有り難くて、夢から醒めるようで、あれほんと名シーンやわ。
あまりに感動したから、シーモアのレビューみてきてんけど、私のように大絶賛している人々と
ついていけんみたいな低評価と分かれてた。
この作品に低評価をつける人、最後にいちゃもん付ける人、わからんとか言う人、全く気が合わないどころか嫌い。感想は人それぞれやけど、この作品に関しては意見が合わないことを受け入れられない。
あまりにムカつきすぎてスクショしてTwitterでいちいち反論してやろうかとか思った。けどそーゆー人、他作品のレビューでも低評価つけたりしてて、感想内容からまぁあんま作品の意図というか話が理解出来ん人なんやな。本買うのもったいないんじゃない?間抜けってなった。
ラストも唐突な風に見せかけてるけど、唐突なご都合主義だとは私は思わない。
店長は出張ホストの苦悩を知ってる。仲間も同じような思いが分かるんやと。そしてナルちゃんは十分過ぎるほど社会に拒絶された。
それは、紙吹雪で祝福されるに全くもって相応しい。