BLを読み解きたい

なんでこんなに好きなのか考えたいだけ

話せば長いふたりの話 感想

 

 

"これはとても単純な話で好きな人とずっと一緒にいたいよねってだけのそれだけの話。"

 

漫画家の慎也とエリートサラリーマンのハルちゃんの話。

 

好き同士、元々慎也の漫画のファンであるハルちゃん。

生活パターンや考え方に差異があってケンカすることや我慢をすることも多々ある様子。

 

カップルを表す言葉にケンカップルっていうやん?

今作はケンカップルではないとは思うんやけど、ケンカップルってちょっと苦手やねんなあ。

些細な事がきっかけでもう会わないとか別れるとかになって仲直りしてもまたおなじような事がきっかけて諍いが起きてるのが、確かに自分も通ってきた道やからうんざりしちゃうんだよなぁ(ただしNTR展開は好き)

 

慎也は漫画家だから締め切りが!とかネームが!とか常に切迫詰まってる様子やねん。これ、Twitterで漫画家さんの日常を見せてもらってるからみなさんどうやらその様子。いつも大変そう。ご苦労様です。

ただその実態をよく分からない。

実現不可能なスケジュールやから最後そんなに大変なのか?それとも切迫詰まらないと本腰を入れてないのか?

どうやら、そもそもスケジュールもタイトではあるのだけども最初余裕をぶっこいているらしい。間違ってる?

締め切り〜って嘆いているのに、Twitterで絵をアップされてる作家さんとか本当に絵を描く事がお好きなんだなぁと心底尊敬しちゃう。

絵の息抜きに絵を描いちゃってるもんね。おかしいやろ。ほんまに。

 

 

こちらのカップルはハルちゃんがキモオタ童貞オタク(自称)で慎也のファンであることからある程度理解はある状態なんだけれども、締め切りの加減で前々から楽しみにしていたお出かけをキャンセルされたり、先の約束された仕事じゃないから今さえ良ければ良いようなそのふわっとに将来の不安を感じたりするんですね。

 

ハルちゃんの同僚もゲイの人がいて、そのお相手も写真家で世界を飛び回り、その帰りをいつも待ってる。

 

待ってるのよ。帰ってくるのを。いつも。

愛してくれてるのは分かってる。

ただなんだか寂しい。寂しいを口にするのはなかなかできないやんな。大人は。

漫画家の慎也然り、写真家然り、その仕事をしていることを、目の前で一番応援してることは全くもって事実やねんな。だけれども何か少し自分が我慢している。

好きだから我慢している。

 

嫌に思う事、好きに思う事、全て点数にしたらもちろん好きに思う事がポイント数上回ってると思うねん。

もちろんその好き勝手やってる方も好き勝手やってばっかりなわけじゃないし、真摯に愛を伝えてる。そうするとまた好きポイント上がる。

 

このポイントが嫌に思う事ポイント多くなった時、人は別れるんだろうな。ってなんか当たり前やけどすごく思ってん。

 

またも突然の自分語り突入タイムやねんけど、この御本を読んだタイミングと同時期にどうしても自分は嫌だと思う事があって、でもそれは彼の人生なんだから自分は関係ない(実際は結婚しているわけだから関係ないことはないのだけれど彼に従属してるわけじゃないんやからやっぱり関係ないと思う)

 

何年も嫌だと伝えていることをまたする。

するのはいいけど、私はもう嫌ポイントが大幅に上回ったので離婚したい。

いいよ。って許容して誤魔化したくない。

 

普段の言動から私はトンチキでわがまま放題でどこまで本気か伝わりにくいキャラではあるんやけど、周りの全然知らない人までも私を説得しようとする。

 

そもそも私は(私は私は、って言い過ぎやな)他人というか彼に何の期待もしてないのでどうこうして欲しいという期待も希望もなくて、どうしても自分が嫌だと思う事を嫌だと伝えていてそれは社会的に鑑みても決して無理な要求じゃないと思うねん。

(なんかぼかした言い方でイラつくね。ごめんなさい。人様からみたらマジで死ぬほどバカバカしいからなんか恥ずかしいから)

 

結局のところまた私が我慢することで終息した嵐なんやけれども私はこの我慢を嫌ポイント加算したし、これでもう好きポイントは大幅に上回ったことは伝えてる。

それでもいつも2人でいるから、なんだかんだ仲ええやんって言われてしまうんやけど今回は私の心に深く傷をつけまくりんちょやからちょっと本当許せない。誰にも理解されなくても馬鹿にされても嫌なものは嫌やんな。

 

 

 

 

 

 

 

番外編を読むとコロナ禍に突入するねんな。写真家カップルのお披露目パーティーが中止になったり、テレワークになったり、なんだかみんな分からないのに世界が一変したあの頃。

 

その時の漫画家の慎也のフラットさがいいなぁ。ってすごく思った。写真家の彼の強さも。

そしてそういう誰かのコロナ初期の様子を知るのすごく好きやねん。最近読んだ本では田亀先生の魚と水がまるまるその時期のお話ですごく良かった。

 

ニュースで見る世界と、狭いコミュニティの周りの人と自分たちしか分からないから、どこかの誰かも否応なしに巻き込まれてしまってるそのミクロな様子。

 

あんなことはそうそうないやろうけど異様な時期やったもんね。

ああいう状況で2人でいれる。2人でいれないとダメだってなるのが根っこが一緒って感じでほうって安心するんだ。どんなにケンカしててもね。

 

っていうても私はちょっと旦那氏の嫌ポイントMAXなんで、もう私は広末すじやで!もう知らんで!広末すじってこと覚えとけよ!あんたは蝋燭やで!って罵ってる。こーゆー怒り方やから怒りが伝わりにくいんやろうか…真剣に怒ってるのに!