"だ…駄目…だろ
便器に…キスなんて"
またこいつ下品なエロ本を読んでいるな。とお思いのことかと存じます。
確かにエロ本です。下品です。
しかしこの中には、
与えられた仕事(便器)への真摯な態度、
慣れない仕事(便器)への勉強と鍛錬、
過去を振り返らずひたすら便器として切磋琢磨する向上心、
そして便器の甘酸っぱい恋が詰まった最高傑作なんですね。
さくっとストーリーを紹介すると、東大卒エリートサラリーマンが妬まれて公衆トイレの便器になる。というお話ですね。
東大卒っていう安直な設定が既に物語の面白さを底上げしてます。
肉便器、便器、これはエロ本分野において"無様エロ"カテゴリー、細分化するとムリヤリ、メス堕ち、に該当します。
ただ、この御本は無様エロではない。
無様と思うことは失礼である。彼は便器なんだから。
便器としての職務をこれほど全うしてる彼に何故無様
と言えるのだろう。
かわいそうは萌えない。そういった方でも大丈夫です。彼は便器なので肉便器の資格はまだ取得していません。ちゃんとそう記されてます。
無闇矢鱈にレイプされるようなことはありません。
ただ、便器としては大変優秀なのでおしっこされます。便器なので。そこが苦手な方は大変もったいないですが、読まない方がいいかもしれません。
公衆トイレからスタートした彼のキャリア。
公衆トイレの同僚(?)の「しょせん便器なんだから」というやさぐれた言葉も物ともしない。おちんちん舐めさせてくださいと低頭する様に、同僚は携帯を捨て改心する。(要はちんちんをしゃぶってる)
キャリアアップし、公衆トイレから会社トイレへ…
ここでも昼は便器、夜は洋式便器への更なるキャリアアップを目指し書籍を読み込み勉強に励む。そんな姿をどうして応援せずにいられるだろう!
ウォシュレット開発まで励む底なしの向上心で仕事に取り組む彼に、なんと救世主が。
なんと金持ち(元洋式便器)に個人専用便器として買い取れました。
金持ちは便器に恋をしてたんですね。もう自由にしていいと言う金持ち。
え…あんなに便器の仕事頑張ってたのに、ここでキャリアを捨てるの?確かに始めは自分から選んだ職業(便器)じゃなかったかもしれない。
でもあんなに勉強して!男性用小便器から洋式便器まで上り詰めて、まだ上に行こう!もっと便器として、ウォシュレットも付けようって、あんなに…頑張ってたのに?ここで辞めるの?いいの?それで?恋のために今までの努力を水に流していいの?(便器だけに)
と、込み上げる思いで胸が詰まりましたが、流石、プロ便器。
個人専用便器として新たなキャリアをスタートさせます。
ここからはもう怒涛の展開で笑いを堪えることは不可能です。
乳首にビデボタンを描かれたあたりからは涙流して笑います。
肛門の中の擬人化が恋人エッチの尊さを助長する。
職業に貴賎なし、の気高い精神で便器としての仕事を完遂する。その姿は誰が見ても己を悔恨するポイントがあるんじゃないかな。
仕事に疲れた時、毎日が繰り返しで憂鬱に思う時、この本を読もう。
どうしてこの作者はこんなにトンチキで、絵の上手さを変態属性に振り切っているのか。
笑う。
すけべ。
明日も仕事頑張りたい。
そして、やはり恋は良い。尊い。
ウォシュレットを吹き出すくらいに。