"…16の僕が欲しいものを
君がくれたから"
この御本を好きだというのがなんだか憚られるほど好きだな。
どちらの男性も本当魅力的や。
図書館司書の荻原君。
私は本が好きで10代から20代にかけてたくさん本を読んだと思う。人よりたくさん読んだのかどうかは分からない。
だって誰も同じ本を読む人はいなかったから。
それは自分がトクベツだとかってわけじゃなく、私の属するコミュニティには同じ本を読む人がいなかっただけ。大学(といっても名前を書ければ誰でも行ける学校)では図書館で私の希望の本はなんでも仕入れてくれた。だってないから。おじいさんの司書の方は埴谷雄高の本をほとんど買ってくれたと思う。ありがとう。
だから、司書として勧めた本に八月一日さん(変換大変やからもうやぶみさんて言うわ)のあの本の感想がとにかく私、あぁ自分の勧めた本にこういう風に感想を言う人にどうして好きにならない理由があるんだろうと思う。
映画や本を勧めた時、
"言葉にならないほどいい"とか言われるの、いや、そこ言葉にせえよ。ってなるねん。逃げるな。あるやろ。ってなるねん。厳しい?
あと、本を読んだ時
"映画のようにいい"ってのも、本と映画は表現方法が全く違う。
っていってもこのブログでもたしか2回言ってしまってる。
おげれつ先生のハッピーオブジエンドの感想で
1巻の落ち葉の舞うシーンを映画的な表現やと言うてるし
百と卍で
映画を観るよりより一層江戸を感じる、と言うてますね。
また脱線して。
今はBLを読むのに大忙しだから中々いろんな小説を読む気分ではないだけど、ああして海の見えるところまでドライブして本を読むことを受け入れる人が私だって欲しい。なんて素敵なんだろう。
今のわたしならなんの本を読むだろう。ガナルカナル戦の本か、富岡製糸場の本か、白鯨か。
そうして感想を聞かせてほしい。どんな感想でもいいねんな。読んだ本の感想をちゃんと聞かせて。そうしたらより一層物語って物語るやんね。
荻原くんは、ミステリアスなやぶみさんに
僕はやめたほうがいい
と牽制される。
それを言いにドライブに来た、と。
まぁかっこいいわな。
田舎で出会いがなく多分今までロマンチックな事が何もなかったかもしれない荻原くんに対して、流し目でそう牽制されるなんてすごくなんかドラマチックやん。
そうしてドライブが終わって家に帰ると
「ドライブ行ったんやったら浜焼きくらい買ってきてや」っていうおかんのおるごくごく普通の日常があって、ぱって夢から醒めるみたいだし、さっきまでの夢がより色濃くなってそれはきっともっとやぶみさんが欲しくなっちゃうよな。
二人のセックスいいよね。勢いまかせでもなく、静かに、いつものスタンスを保ってて、そして優しいね。
"16の子供がセックスを怖がって何が悪かったのか
(略)
やぶみさんは悪くない"
全くそう、その通り。
しかしまぁ、図書館司書と大学の先生。
なんてインテリジェンスな二人なんだろう!素敵!