"けどひとつだけ どうしても知りたい
夢は叶った?"
泣くぞと思ってたけど全然泣かんかった。
クールぶってるわけじゃなく、ハオレンが決断した苦しい選択のいくつかはそれはそうするより他ないと思ったから。
自分といることによって千紘は危ない目に遭うことは事実であって、それはマヤを殺さなければならないと私も思う。司法に委ねても解決しそうにない。
そして逃げる。逃げ通せるわけなどないし疲弊するやん。もう。未来が見えないから、ハオレンが望んだ"普通"になるなら普通にしなきゃいけない。
だから これが普通でしょ。 といって自首する選択もそうするより他ない。
千紘はすごいよな、自分1人の力でカメラで食べていけるようになるなんて。
この人類総カメラマンみたいな時代に飛び抜けるのはすごい。自宅にアロマデュフューザーみたいなんまで置いてさぁ。一巻ではゴミの上で寝とったんやで。ハオレンと離れてよかったとすら思えてくる。
そやけど千紘はもともと真っ当な家の子やねんもんな。
ハオレンやマヤとは違う。
子供の頃、道で寝てる浮浪者を見てどの時点で人生がこういう方向にいくんやろうとよく考えてた。子供だから分かってないこともたくさんあるから、みんな小学生にいってる前提で考えてたけど、そもそも生まれからしてレールが外れてるわけやんな。
マヤはそのどうしようもない理不尽さに怒りを溜めてた。
ハオレンには夢や希望とかが特になくて、1巻で千紘と2人でボートに乗って、どこかの子供の弾くピアノを聴いて、ああ今日はとてもいい日だから死のう。とした。今日は死ぬのにもってこいの日。
千紘が躊躇せず横に並び共に死のうとする。
ハオレンは死ねない。千紘がいるから、千紘と生きていきたいから。小さな希望ができたから。
千紘とハオレンの再会はほんまによかったやんな。
1巻の時の感想で、
世界に爪弾きされた2人の物語やと書いたんやけど、もう違う。
2人がこれからずっと一緒にいられるのは明白でうれしい。普通を手にいれたんやもんな。
ハッピーオブジエンドの意味を英語ができる数人に聞いたけど造語であるから意味をなさないというかまぁそんな感じやって、私的にはなんとなく終わりよければ全てよし的な感じかな〜って思ってんねん。違うらしいけど。
だから、マヤね、常識が通じず、倫理観の欠如は教育を受けてないからか、生まれつきの障害なのか分からない。
更生などもできそうにないし本人も望まなそう。
夢や希望なんて大それたことじゃない何かもうこの際犯罪でもいいから先の約束があれば…と思うのだけど、マヤは死ぬのにもってこいの日に希望の死に方で死んだんだと清々しい羨ましい気持ちになった。
ハオレンと千紘が死のうとして死ななかった踏切で。(同じ場所とちゃうやろけど)
たぶん、マヤは、マヤの死ぬ前の4コマ、
ハッピー
って言って死んだんじゃないやろうかと思うの。
ハッピーなことなんてほぼ無い人生やったんやろうというのがなんとも虚しい。