"子ぎつねが渡る橋だ
頑丈にしなければ"
"染料は流すな
子ぎつねが飲む水だ"
むかし絵本で読んだようなロマンチックなお伽噺。
一国の王と運命によって結ばれる身寄りのない砂かぶりの貧しいきつね。
そして2人は幸せにくらしましたとさっていう王道のハッピーエンド。
それがどうしてこんなに私を夢中にさせるんだろう。
斜に構えたややこしいお年頃の腐女子をとらえるんだろう。すけべもほとんどないのに。
私は自分が思うよりもっとロマンチックな夢見る女の子(?)なんやろうか。
なんか分からんけど何度も何度も繰り返して読んでしまうんだよなぁ。
まず
きつね って語感がかわいい。
きつね。こぎつね。みっともないきつね。小さいこぎつね。字面もかわいい。
ふわふわしたしっぽがスカートの中からたっぷり見えて愛らしい。
紅藍の表情があどけなくて不安げで特に口元が愛らしい。
紅藍を見守る鷹?鷲?もいいなぁ。
おうさまのお城がエッシャーのだまし絵になっていたり細かい遊びもあって何度読んでも飽きないの。
本当に何度も読んでるんだけど、どうしておうさまの優しい兄上は謀反を起こしたのかよくわからない。自身が選ばれし者じゃないからかな?そんな風には到底見えなかったんだけどなぁ。
それをおうさまも分かってるからいつまでも兄を憎みきれず静かに弔ってるのかな。
紅藍と白蓮
紅藍と族長
紅藍とおうさま
おうさまと兄
みんな思ったことを口にしないから誤解が生まれるねやん〜も〜なんでもはっきり言わんと分からんで。っておしゃべり大阪女は思うけど、ちゃんと最後思いが通じますから、べらべらしゃべるような情緒のないことはあかんね。
何よりおうさま、おっきなねこちゃんのもふもふに包まれるなんて見ているだけで気持ちよさそう。
紅藍のお世話をする2人のかわいいメイド?の女の子。
なんの嫉妬もなくおうさまと紅藍を応援して紅藍に心から仕えてる様子が真にプロフェッショナルで素直で可愛らしい。
そうか、私を捉えて離さないこのストーリーはみんな魅力的なのか。些細な脇役にいたるまで。一言も発さない美しい鷲までも。
勝手BGM
至極のお伽噺には
bibioのこの曲を捧げよう。
あぁ秋の美しい日になんてぴったりの1曲なんやろう。
永遠に続く同じメロディの展開がおうさまと紅藍の永遠のメルヘンな幸せに合うよ。すごく。
なんて美しい秋。