BLを読み解きたい

なんでこんなに好きなのか考えたいだけ

ジェラシー 感想 ネタバレあり

 

ふたりで時間をかけて練って来た計画が…

またあいつに居場所を奪われる…

 

 

ジェラシーをつゆほど隠さず丸出し露出な浅生田からのセリフ頂きました。

 

 

 

 

浅生田のセリフは全く頭に残らない。

正論ばかり言うから。

真面目で退屈で陳腐で、そして、1番人間らしい。

しかしこの"ジェラシー"を題材にしたこちらの作品では

このど真面目人間浅生田は水を得た魚のように1番ジェラシー魅力度数が1位です。

 

 

トイレ掃除を素手でした下積みがあるから何だっての?

そーゆー根性論って嫌いやわ。

無意味だし汚いよ。普通に。

 

 

 

 

順を追って下積みがあるからこその今がある。だから自分は明虎さんの側でいられる。

おまえにはそれがない。

ふらふらと身体で虜にして頭のよさで高いところまでジャンプして、昔からそう。

そんなふうに生きていたっていつかきっと頭を打つ。

頭を打ったってそれにも気付かないくらいの馬鹿なんだから明虎さんの側によるんじゃない。俺はいつだって一生懸命に明虎さんに仕えてるのに、こんなに必死なのに、頭だって回るし、気だってきくし、なんでなんでなんで簡単にそうやって全て持っていくの?

トイレ掃除もしてないくせに。

俺を夢中にさせたくせに。

憎くて惹かれて憎くて消えていなくなれ。

ってのが、これぞジェラシー。

ジェラシー魅力度数はぶっちぎりの高得点を叩きだします。

 

同じトイレ素手掃除仲間の明虎兄。

こちらのジェラシーも大変わかりやすく

嫉妬丸出しを華麗に披露してくれました。

年齢を重ねて地位も知性もある大人の幼稚な嫉妬ほど見応えのあるものはありません。大好物です。

 

明虎さんのジェラシーは卯一と男が絡んだ時にのみ暴力的に発動するので清々しくて、萌えはするけれどもジェラシー魅力度数には少し欠けます。

ジェラシーで人殺しちゃってるので罪的には1番重いんだけどね。

(そんな明虎さんに殺された平田おじさんの方がジェラシー魅力度数、上ですね)

 

 

 

さて、今作の麻巳さんね、私大嫌い。

 

BLに出てくる女性キャラは大体2通りに分かれてて

 

ステレオタイプの嫌な女

例) 男同士なんて気持ち悪いっ!とかまぁステレオタイプ

普通にうざい。

 

 

かっこよしタイプ

理解ある感じで身をひく。私じゃなかったんだね、幸せになって。

的な。

 

 

どちらでもないこの麻巳さん。

うざいわー。

理解のあるフリをして卯一の話を聞いてご飯を作って本当うざい女やわー。

 

4人で同じ部屋に寝るシーンあったやん?

明虎さんは痛み止めがきれて起きて、

卯一は寝てて

浅生田に子供見ててって頼んで

フェラチオして。

浅生田に気付かれることも分かっててああいうことして何優位に立ってんの?破天荒を演じれば演じるほど鬱陶しいんですけど?ってなった。

 

浅生田と麻巳さんは平凡な人間側、明虎さんの特別でいたいという共通点において共同体になってるけど

浅生田は麻巳さんのことは全く眼中になくて、「明虎さんの嫁」としか見てないけど、

この女は登場人物全員に、そして私にまで

1番特別な私!そんじょそこらの女みたいにかっこの悪い嫉妬はしない!子供もおりますし!子供を産んだのは、産めるのは私だけですし!なんならみんなの母ですし!母を超えることはむりですし!こちとら元風俗嬢で根性も気合いもありますし!全くノーマルな人間じゃなくて、明虎さんにお似合いの破天荒なロックな女ですから!

って上部を取り繕って反吐がでそう。

 

卯一が子供を攫ったと勘違いした時に、取り繕えず全ての内面が出た時、心底スッキリした。

普通の女なんだから、初めから普通にそうしてりゃええんや。

卯一ならそうすると思う。

 

という麻巳さんを憎む私は麻巳さんが明虎さんに確かに愛されてるってことに勝手に卯一を思って嫉妬してるんやろうね。

 

 

麻巳さんがドス黒い内面をさらけ出した時、

その時の卯一の驚いた顔。

浅生田に裏切られた時もそうだけど、

純粋に人を受け入れちゃうんだよね。

まぁ明虎さん以外に執着がないから。

 

卯一はこのお話の中で唯一誰にも嫉妬しない。

ただただ嫉妬の対象になっている存在。

 

この中で唯一、1人で生きていける存在。

 

誰より自分の気持ちと愛に正直で真摯な卯一。

 

明虎さんと卯一は似てるからこそ惹かれあったみたいだけど、真ん中のコア部分が

明虎さんには芯の硬い棒があって(家族もいるし組もあるし)そこに浅生田も嫉妬ではなく羨望のみを向けることができて、麻巳も惚れて(最早呼び捨て)。

 

卯一のコアはグニャグニャ。

だから何物にも形を変えれてそれがみんなの鼻について愛憎渦巻く原因にもなる。

グニャグニャしてて絶対掴むことができないから。

 

 

 

最後よかったよね。

 

 

また自分の破壊的行為で無茶苦茶にしてしまうかもって心配してる卯一だけど、卯一はその時その時1番効率的で尚且つ自分が楽しめる手段を選んでるだけであって自ら死地に飛び込んで行ってるわけじゃないんだよね。

他人から見れば死にたがりかいな!と思う事でも。

今は娘がいるから、そんな方法は非効率だから選択しないと思う。

ロシアンルーレットもしない。

 

ロシアンルーレットって当たったらもうその瞬間に命が終わるから「あ!当たってもうた!しまった!」を感じる瞬間もなくて、カチリと空砲がなる度、心の底からの安堵とこのゲームはまだ続くっていう絶望の繰り返しで絶対やりたくないよね。

 

 

 

 

そうそうこのジェラシーにもBGMあるんだー。

読み終わった後自然にこの曲がエンディングで脳内再生された。

 

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ニックドレイクの Time has told me

 

改めて聴くと音楽も歌詞もピッタリすぎて

エンディングにふさわしいすぎるねん。