…それは僕が
トカゲだから…？
煌びやかな表紙が多い御本の中でモノトーンと深いブルーが目を引くこちらの作品。
Twitterでオススメされてらっしゃる方を見てからずっと気になってたんだぁ。
ハチワレの猫ちゃんハチと
美しいトカゲのアオイの物語。
とにかくトカゲのアオイが美しくてかわいくてたまらないの。
そしてハチが気まぐれでぶっきらぼうな男子高校生なの。
私がこよなく動物を愛する人間だということを加味してもあまりにも登場人物たちが生き生きしていて驚く。
犬、キツネ、猫などの獣が占める学校に種族として異質なトカゲのアオイが転校してきたところから物語は始まる。
アオイがあまりに特殊な種族で珍しいばかりにみんな興味深々でアオイに構う。
でもここでは誰も嫌な子はいなくて、犬は群れてなつこくアオイを取り巻いてるし、成績のいいアオイを先生も認めてる。
アオイ自身が過去のトラウマで一線をひいてる。
そのトラウマは本当に胸糞。
この御本を読んでいる最中に、あまりにアオイがかわいくて、そしてかわいそうに思うから、なんで親は同じ種族の多い地域で暮らしてあげないの？
なぜこんな思春期に辛い思いをさせるの？って自然に思っちゃって、あっ！って自分の無自覚の同族意識に驚いてしまった。
自分と他人は違って当然と考えてるくせになんでアオイを同じ種族の場所で暮らしたらいいやんって思えたのか。
自分の心の冷たさと卑しさをまざまざ見せつけられちゃった。
全然違う話しちゃうんだけど、ホテルルワンダって映画知ってる？
マスコミも退去しなきゃならない状況で、アメリカ人かな？忘れちゃったけど、この凄惨な状況が今日、今まさに起こっていることを世界に知らしめないといけないって、ここに残るっていうねん。
ほんでも同僚は
この状況をここでレポして夕方のニュースで流す。
ニュースを見た人は「まぁなんてひどい！」って言いながらディナーは続く。
って言うの。ずいぶん前に観た映画だからうろ覚えなんだけど。
衝撃やって。本当に。
なんでて自分が実際そうやから。
酷いし状況は改善してほしいけど私無力やもん。って。
そう咄嗟に思った自分はなんて情けないんやろう。
それを思い出した。
アオイが同族のところで平和でいてほしーなーなんて軽く考えるってことは、
アオイが傷ついてほしくない
↓
獣のとこにいてるからちゃうか？
っていう思考回路やん。
なんでアオイが生活環境を変えなくちゃいけないの？
変わるべきは獣であってアオイじゃないやん。
分かってるのに、自然にそう思ってしまった自分に呆れた。
ハチは自分が持ってないアオイの魅力に惹かれ
ただただ青臭く恋をして、真っ直ぐ、もちろん対等で。
アオイも自分の傷があまりに深いから盾を持っていたけど脱皮するんだね。
若くて、じれったくて、荒々しくて、余裕がなくて、そんな高校生の初恋物語なのに
自分の意識のあまりの低さを露呈することになるとは思わなかった。
お礼いいたい。この御本のおかげで私はひとつ成長したと思っときたい。
まーたまじめなブログになっちゃった。
エロの考察したいな。
ハチがアオイのこと独占したいがために自分の匂いを擦りつけるのかわいいなあ。
